
バンコクの某日本人宿で出会ったある旅人さん。
当時彼女の風貌はドレッドヘアにタイパンツ。
いかにも旅楽しんでます!的な空気を出していた。
別に彼女と仲良かったわけでもないし、たくさん話をしたわけでもない。
たぶん、数分くらいしか会話なんてしてないんじゃないかな。
ただ彼女が大量の荷物を日本に送るというのでパッキングを手伝ったのと、そのお礼にイラクの旧紙幣(フセインの肖像のやつ)をいただいた程度の仲。
帰国して数ヶ月後。
その彼女が脚本・演出をした劇というものがあるとmixiに書いてあった。
自分が、旅で感じたこと・吸収したことを劇にしたらしい。
正直「ふ〜ん」と言った程度しか興味がなかったけど、彼女の情熱のようなものが文面からひしひしと伝わってきた。
じゃ、行ってみるか。
題名は「止まらずの国」。
内容は、とある中東の仮想国の日本人宿物語。
みたいな感じ。
止まらずの国には国王がいて、テロまがいのホーリーがあって、首都が移転しててと、廃人ならみんな訳知り顔でニヤニヤしそうな楽しい場所。
沈没してる宿泊客もキャピキャピちゃんや勘違いクン、つわものパッカーから伝説パッカーまで勢揃いしていた。
オイラみたいなダメダメ廃人には馴染みの光景で、別段、目新しいわけでもない。
ああ、この設定はどこの国がモチーフだな、あれは誰がモチーフだな。
そんな感じ。
だけどね。
だけどもだっけっど♪(小島よしお風に)
こんなにも愉快な気持ちになったのは久しぶりだったよ。
オイラは旅で感じたことを誰かに伝えようとは思わないよ。
そんなのムリだって思ってた。とうの昔に諦めてた。
でも違ったかもね。
彼女はそれを一生懸命に伝えようとしていた。
その思いがすごく伝わってきたよ。
20代前半?(正確な年齢は知らん)の彼女が、その年齢とその感性で吸収してきたもの全てを伝えようと、必死になっているのがすごくカッコよかった。そんな人がいることが凄く嬉しかった。
うん、うれしかったね。
演技をしていた役者さんもきっと学生なんだろうな、でもすごくカッコよかったよ。
彼女や、役者さんが情熱を燃やしているのがまぶしかったね。
まだまだ捨てたモンじゃないかもね、いまの世の中も。
劇が終わって帰るときに、彼女がいた。
黙って見に来ているのだから黙って帰ろうとも思ったけど、せっかくだから声をかけたら、意外や覚えていてくれたのがちょっぴり嬉しかったな。
ストレートヘアにしていた彼女はオイラの記憶の中の彼女と全然違って、正直可愛かったぞ。
おかしい・・・こんなにも可愛かったか?
これならバンコクでもう少しちょっかいを出しておくべきだった。
向こうは「何故ここにいるの!?」みたいな感じだったけど(笑)
ちなみに「止まらずの国」のビザ代は勝手に300円割引されて900円でした。
なんて寛大な国なんだ。
パスポートはノーチェック。
でも入国審査が厳しく、飲食物の持ち込みは禁止とか、劇場の中は暑いですからとジャケットを無理やり預けさせれらた。
あれはきっと裏で厳重に調べているに違いないな。
さらには他国に情報を渡さないよう通信規制まであるらしく、「上演中は携帯電話の電源をお切りください」とまで言われたよ。
しかも最後には今後の劇団活動の参考にとアンケートを書かされたけど、実はあれも筆跡鑑定してスパイを捜索しているな、きっと。
それでは最後に。
この劇とは関係ないけど。
アッラーの国を旅している廃人さん。
シヴァやヴィシュヌと一緒にガンジャを吸っている廃人さん。
仏陀の国を旅している廃人さん。
キリストの国を旅している廃人さん。
それと。
日本に帰国したふりして、実はトランジットしているだけのたくさんの廃人さんに。
メリークリスマス
それと・・・
アッラーアクバル!!(笑)